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フッ素入り歯磨剤、フッ素洗口で推測される血中濃度上昇による多面的全身毒性

第22回日本フッ素研究会の講演から

フッ素入り歯磨剤、フッ素洗口で推測される血中濃度上昇による多面的全身毒性

高 橋 晄 正 (内科医師)

◆水道水フッ素化の効果は不明

 私は20年間フッ素問題を追求してきて、ほぼ全体的な視点でまとめられるようになりました。歯科の人たちが水道水フッ素化を打ち出してくれたことで、いままでフッ素と関係ないと思われていたフッ素の害作用が見い出されています。

 例えば若いお母さんから生まれるダウン症の原因です。高齢の女性の場合は卵子の老化ということがありますが、30歳から35歳以下の若い女性でもダウン症の子が生まれるのは誰も問題にしませんでした。ところが1ppmのフッ素化された水道水を飲んで生活している人と普通の水を飲んで生活している人を比較してみたら、何とダウン症が2倍くらい増えている。総フッ素摂取量、1日の摂取量に換算してフッ素の摂取量が0ならばダウン症も0で、若いお母さんから生まれるダウン症はフッ素が原因だという新しい因子が見つかりました。今まで思いも寄らなかった害作用の原因です。

 水道水フッ素化は、私どもが薬の検討のときに行う二重目隠し法などができないので、フッ素化の効果を確認する方法は容易ではありません。もしやるとすればむし歯に関係する因子を10とか20とか調べ上げて、水道水フッ素化の効果がどのくらいあるかを調べなければなりません。

 ベルギーでは歯磨きなどについて調べて、確かにフッ素入り歯磨き剤は有効だけれども、30%も斑状歯が増えるという分析をしています。それと同じような何十もの因子を調べ上げて、フッ素だけの効果を調べる研究は誰もやっていません。ほんの1、2の因子でやったのはありますが、全面的にやったものはないんです。フッ素のみでどれだけむし歯が減るのか全然わからないというのが現状で、わからないまま推進されてきました。このことは決定的な問題です。

◆局所応用の害作用を推定してみる

 フッ素入り歯磨き剤、フッ素洗口、フッ素塗布という局所利用の効果は二重目隠し法である程度分かっています。10%とか20%効果がありそうだというデータはありますが、害作用の調査はほとんどやっていません。斑状歯の調査だけで、がんやダウン症、骨質欠損などは全然調べていない。50年間水道水フッ素化は安全有効だとやってきた上に乗って、局所利用の危険性は斑状歯を除いて全然評価して来なかったのです。

 斑状歯は歯科の問題で、ひどい斑状歯の場合は大変ですが、必ずしも命に別条があるわけではない。ところががんは命にかかわる問題です。しかしその方面の調査データはまったくないのです。これは異常なことだといわなければなりません。

 そこで何とかして推定する方法はないか。データがないので推定するしか方法はないのですが、がんに絞って推定したところ、水道水フッ素化よりも害があることがわかりました。

 がんのデータというのがあって、アメリカのフーバーという学者はがんとフッ素の関係を否定しています。しかし否定したのは誤りであって、子どものデータをよく出しており、それを使ってやってみるとちゃんとフッ素と関係して骨がん、口腔がん、喉頭がんが増えるデータが出てきます。私どもが統計処理の新しい方法でやってみると害作用が証明できました。

 推進側からは、おまえは理論上の計算だけで文句を言っているだけじゃないかと言われるかもしれません。しかし子どもたちにフッ素入り歯磨き剤を飲み込ませて、血をとって時間ごとに調べるなんてできません。大人にやったデータが若干ありますから、それを子どもに適用することになります。大人と子どもの違いがありますが、おそらく子どもはもっと鋭く反応するでしょう。大人のデータを子どもに適用するということは、実際の害作用よりも少なく見積ることになります。

◆フッ素洗口で血中濃度が上昇

 私がいちばん先に気がついたのは、フッ素洗口を連日やっているとだんだん血中濃度が上がってくるという論文です。これは大変な問題で、血中濃度が上がるということは全身の臓器がフッ素に暴露されるということですから非常に危険なことです。私はちょっと低く見て、毎日ほとんど変わらない、ちょっと上がるけれども少なく見積もる形で今度の理論をつくりました。

 まず体重は対数をとると年齢との間にきれいな直線関係があるという基礎的なことから始めて、各年齢層の子どもたちのフッ素化、非フッ素化地域におけるフッ素の1日摂取量を計算します。次にフッ素入り歯磨き剤の場合の年齢と飲み込み量の関係、これはライパという人の論文があって、3歳、5歳などは大量に飲み込んでいることがわかります。フッ素洗口の場合は丸ごと飲んでしまう子どもが7歳以下だとかなりのパーセントいます。ヘルストレームという人がフッ素洗口のいろいろな年齢層でやっていまして、これも推定して平均どれくらい飲み込むかを調べ上げました。

 その次は理論編です。フッ素化された水道水を1日1リットルくらい飲んでいるのでも危ない。歯かすの中に30ppmまで濃縮されます。歯かすの中にフッ素がいっぱいたまるということは非常に恐いことで、歯科の人たちはほとんど研究していませんが、医学の研究の中でやられており報告書が出ています。血中濃度は普通0.02ppmくらいですが、それがなんと30ppm、1500倍の濃度のフッ素が歯かすの中にたまってしまいます。1ppmの水道水でそういうことになってしまい、それがじりじりと24時間口の中で溶けていきますから、口腔がんが増えるのは当たり前ということになります。

 そこで問題なのは、250ppmとか500ppmでフッ素洗口をやると、だいたい100ppmのフッ素が歯かすの中にたまって、フッ素塗布をやると200ppmまで上がってしまう。それが1日中、口の中にじりじり出てきて、口の中が高濃度のフッ素にさらされることになります。

 そういうことが考慮されてきませんでした。遅い場合は24時間でも元に戻らなくて、次の日まで持ち越してしまう。これは角田さんという岩手大の学者が学生たちにフッ素を飲んでもらって、一定時間ごとに血液をとって濃度を測りました。そうすると30分でポンと上がって、それから下がってくる。飲み込んだフッ素が何で30分という早いスピードで出てくるのか。普通薬ですと、胃から腸へ行ってぐるっと回って吸収され、肝臓を通って心臓に戻ってくるのでこんなに早くピークが出るはずがありません。

 このことは随分早くから問題になっていましたが、これは胃液が酸性で、フッ化ナトリウムは酸性のものに当たるとフッ化水素という恐いものに変わっていきます。フッ化水素に変わると、10の6乗、10万倍以上のスピードで膜壁を通過して、それが胃静脈とかリンパ管を通って大静脈の根本からすっと心臓に入るから、肺は30分後に高濃度のフッ素に爆射される。肺がんとか喉頭がんが出てくるのは無理もない。私どものデータでも肺がんとか喉頭がんは高く出てきています。

 そういう胃から入るのと、歯かすの中で入るのと、歯かすというのは酸性ですから、その中で恐いフッ化水素ができます。フッ化水素とフッ化ナトリウムを間違えて子どもに塗って、子どもが死ぬという事件がかってありましたが、恐いものが胃の中とか歯かすの中で出てきているというのが全然考慮されていません。

 そこで角田さんが学生に飲ませたものを対数をとって図にしてみると、24時間平均すると平均濃度がいくらになるかという計算ができます。それでやってみると、量が2倍になれば血中濃度も2倍になるということではなくて、どんどん増えていきます。そういう増量関係もわかってきました。水道水に余計に入れた場合に年齢、濃度が増えていくと血中濃度が上がっていきます。それよりも錠剤とか洗口、歯磨き剤で飲み込んだ方が一段高い値で増えていくということです。

局所応用は水道水フッ素化よりも危険

 血中濃度の比率が高まれば、それだけがんの発生率も高くなってきます。フーバーはフッ素曝射の年数とがんの発生を調べて、がん発生数が高くなっている部分があるにもかかわらず、統計処理のまずさから有意差なしとしています。しかし統計処理のやり方を変えてやると有意になります。フーバーが発生しないと言っていた骨肉腫、口腔がん、脳腫瘍、喉頭がん、肺・気管支がん、子宮経がん、こういったものがちゃんと出てきます。

 フーバーは水道水フッ素化でやりましたが、おそらく歯磨き、洗口その他の局所応用でもほぼ同じだろうというのが私どもの計算の結論です。

したがってフッ素の局所応用は水道水フッ素化の数倍危ない。むしろより危険だということが結論的に言えます。

  (詳しくは『フッ素研究21』02.8参照)

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