1983年と1998 年を比較したベルギーにおける子供の虫歯の減少
Community Dent Oral Epidemiol 2001;
29:55-61 Printed in Denmark.
Joana C.Carvalho[1], Jean Pierre Van Nieuwenhuysen[1] And William D'Hoore[2]
[1]: 学校歯科学の…そして[2]:公衆衛生の学校、カトリック教的 Louvain 大学、
ブリュッセル、ベルギー
Carvalho JC 、 Van Nieuwenhuysen JP 、 D'Hoore W :
1983年と1998 年を比較した
ベルギーにおける子供の虫歯の減少
地域歯科口腔疫学2001 ;29:55-61 .
要約
目的 :調査期間中のベルギー12歳児における確実な虫歯の減少と虫歯に関連する可能性のある
因子分析の横断的研究。
方法 :ブリュッセル地域での同じ学校の7年生、1983(n=533)と1998(n=496) を調査対象
とした。DMFT 、 DMFS 、及び、歯のフッ素症は、臨床的に記録した。子供の家庭、
及び専門家による歯の健康管理に関するデータを記録した。
結果 :虫歯の無い子供は、 4% から 50% まで増加した。一人当たりの虫歯の数は 7.6本
から 1.6本まで減少、虫歯になった歯面数も11.5から2.5(P<0.001)の減少が観察された。
歯のフッ素症の初期徴候が対象者の1983年の5%に1998 年の30% に確認された。
多重線型回帰分析は、フッ素入り練り歯磨き使用の歯磨き、歯の定期検診、歯のフッ素症歯
と虫歯の減少との間に著しい関係があることを明らかにした。
結論 : 15 年間で虫歯の注目すべき減少が観察された。
子供の家庭、及び専門的な歯の健康管理に関係した因子が、観察された虫歯の減少
と関連していた。
キーワード :歯のカリエス ;歯の健康管理 ;疫学 ; 学童
Joana C.Carvalho 、Av.Jupiter 91A 、 bte 1 … B-1190 ブリュッセル、ベルギー
Tel/ ファックス :+322 346 0679電子 mail:joana.carvalho@padt.ucl.ac.be
29 April1999 2000 年 5 月 30 日
Dr.Jの解説
飲料水フッ素濃度:0.1-0.2ppm(1)
フッ素入り歯磨き剤普及率:90-95%(2)
フッ素錠普及率増加大:5-31%(3)
虫歯ゼロの子供の著しい増加4%から50%(4)
しかしフッ素錠服用者と非服用者との間の虫歯数に差は無く(5)
歯のフッ素症は5%から30%に増加(6)
結論としては、虫歯予防率ではフッ素錠服用者と非服用者と差はなく
歯のフッ素症が増加するのみである。また、フッ素入り歯磨き剤普及率も
90%(1983)から95%(1998)と差はないのに、虫歯ゼロの子供の率だけが
4%から50%に上昇しているということで。フッ素錠、フッ素入り歯磨き剤
共に虫歯予防効果は無く、無用と言えるでしょう。
(1)0.1-0.2ppmの低濃度のフッ素が観察期間中ブリュッセルの調査地域で測定された。
(原著p57)
(2)研究期間中、フッ素入り練り歯磨剤の日常的に使用する習慣が、かなり確立していた。
(1983 90% ,1998 95%)(原著p58)
(3)フッ素錠を服用する割合は大幅に増加した( P=0.20 ) ( 1983 5% , 1998 31% )。
(5)フッ素錠を服用する子供と服用しない子供のDMF数との間に有意差は観察されなかった
( P=0.10 )。(原著p58)
(4)最も目立つ調査結果は、 DMF数が78%減少したことによる虫歯ゼロの子供が4%から
50%までという注目に値する増加であった。(原著p59)
(6)歯のフッ素症の1から3までの段階が1983年の同一年齢層の5%、1998年の30%に
観察された。(原著p58)