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会 報 紙  第40号  2000年 5月25日発行          フ ッ 素 を 考 え る 新 潟 連 絡 会

ノーベル賞科学者13人:
むし歯予防へのフッ素利用反対

  〈フッ素推進学者の体質〉  日本口腔衛生学会 フッ化物応用研究委員会『フッ化物応用と健康』(口腔保険協会、 98.6)は、フッ素に反対する人々を非難しつづける推進側の政治的宣伝者Ernest Newbrun の著書を鵜呑みに信奉しています。東北大学歯学部講師田浦勝彦と宮崎県三股町開業歯科 医山下文夫が次のように述べています。 「実は、反対派の多くは主体性がなく、また本 心からフッ素に関心がある訳でもなく、宗教的、政治的、感情的側面から反対運動に 参加する場合が多いといわれている。反対派の一本化のための理論武装を支援する、“偽 学者”の存在が最も問題である。彼らの大半は科学的研究業績がなく、専門分野でリーダ ーシップの経験もなかった。」(「W社会的問題」田浦勝彦、山下文夫)、日本の反対派 も「アメリカ合衆国やオセアニアの状況とよく似た現象である」と、独断と偏見を剥き出 しに非難している。 〈ポール・コネット教授の指摘〉  セントローレンス大学のコネット教授は、今年1月の論文の中でフッ素化に反対したノ ーベル受賞学者を12人紹介して、次のように述べている(ポーリングを付加する)。  フッ素化に反対する初期の人たちは生化学者であった。このなかの一人に、酵素化学の 指導的な権威者でノーベル賞を受賞したコーネル大学のジェームス・B・サムナー博士が いる。彼は次のように述べている。   「我々はゆっくりと進むべきです。フッ素やフッ化物が毒物であることは誰でも知っ ています。……我々は酵素化学で、フッ素を酵素を毒するために使うのですが、酵素と体 にとって致命的なものです。フッ素化に反対する理由はここにあります。酵素が毒されれ ば、動物も植物も死滅します。」 ジェームス・B・サムナー博士は、フッ素化に反対ないし保留を表明した化学、医学分 野のノーベル賞受賞者の少なくとも、12人のうちの一人である。このような学者には、 (注:12人の氏名と受賞年・分野を記載)といった方々がいる。このリストを見ても、 アメリカ歯科医師会がいう「フッ素化の問題には、もう科学的論争など存在しない」とか、 「フッ素に反対する者は変人奇人の類である」などという主張がバカげたものであるのが わかろう。 編集者は、コネット教授が記載した(フッ素化に反対ないし保留を表明した)ノーベル 賞受賞者12人+1人について、「受賞年・受賞研究業績・備考」の一覧表を作成する。読 者は、日本(米国など)のフッ素推進学者の上記主張と比較検討して見てください。 当時も、現在にあっても超一流の科学者達が自らの科学的事実に基づいて「フッ素に反対 ないし保留を表明」しただけだというのに、ノーベル受賞者らを「科学的研究業績がなく、 専門分野でリーダーシップの経験もなかった」と、どうして言えるのでしょう。田浦や山 下ごときに一方的に“偽学者”呼ばわりされる理由はありません。  フッ素推進「学者(?)」が、かかる主張を学会の名で述べる(出版する)こと事態、 異常な集団であることを自己曝露しているのです。 ノーベル賞受賞者の経歴は、最終ポストのみ記載する以外にありませんが、各国でも世界 的にも著名な大学・研究機関を歴任し、科学的研究業績は言うに及ばず専門分野でのリー ダーシップの経験も超一流です。      ☆ 受賞研究業績  ※ 経歴など備考 氏    名 受賞年  受賞 国籍 【フォン・オイラー・ケルピン】1929 化学賞 スウェーデン   ☆ 糖類発酵とこれに与える諸酵素の研究 ※ ストックホルム大学生化学研究所所長 【ウィリアム・P・マーフィ】 1934 生理学・医学賞 アメリカ   ☆ 貧血に対する肝臓療法の発見 ※開業医、ハーバード大学医学部準教授 【コーネイレ・ハイスマン】 1938 生理学・医学賞 ベルギー   ☆ 呼吸調節における頸動脈洞と大動脈との意義の発見 ※ ガン大学教授兼同大薬力 学治療研究所所長 【アドルフ・ブーテナント】 1939 化学賞 ドイツ   ☆ 性ホルモンに関する研究業績 ※ マックス・プランク協会会長、ナチス政権下の 圧迫で受賞辞退(1955年受賞) 【アーチュリー・ビィルタネン】 1945 化学賞 フィンランド   ☆ 農業化学と栄養化学における研究発見、特に糧秣の保存法の発見 ※ ヘルシンキ 大学生化学教授兼同大生化学研究所所長 【ジェームス・B・サムナー】 1946 化学賞 アメリカ   ☆ 酵素が結晶化されることの発見 ※ コーネル大学生化学教授 【ロバート・ロビンソン】 1947 化学賞 イギリス   ☆ 生物学的に重要な植物生成物、特にアルカロイドの研究 ※ イギリス化学会会長、 ロイヤル・ソサエチィ会長、工業化学会会長 【ウォルター・ルドルフ・ヘス】 1949 生理学・医学賞 スイス ☆ 内臓の活動を統合する間脳の機能の発見 ※ チューリヒ大学教授兼生理学研究所所長 【カール・ポーリング】 1954 化学賞 アメリカ   ☆ 化学結合の本性並びに複雑な分子の構造に関する研究 ※ スタンフォード大学分子医 学研究所所長(1962平和賞)、研究費の圧迫を受ける 【アクセル・ヒューゴ・テオレル】 1955 生理学・医学賞 スウェーデン   ☆ 酸化酵素の研究 ※ ノーベル医学研究所生化学部長兼任カロリンス王立医科大学教授兼任 【キリル・N・ヒンシェルウッド】 1956 化学賞 イギリス   ☆ 気相系の化学反応速度論、特に連鎖反応に関する研究 ※ イギリス化学会会長、ロイヤル・ ソサエチィ会長 【ニコライ・セミョーノフ】 1956 化学賞 ソビエト連邦   ☆ 気相系の化学反応速度論、特に連鎖反応に関する研究 ※ ソ連科学アカデミー副総裁ソビエ ト知識協会会長 【ギュリオ・ナッタ】 1963 化学賞 イタリア   ☆ 新しい触媒を用いた重合法開発と基礎的研究 ※ ミラノ工科大学教授兼工業化学研究所所長 <以上>  
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