会 報 紙 第42号 2000年7月5日発行
フッ素を考える新潟連絡会
むし歯大幅に減少:2.44本 厚生省調査(1999年) |
(1)3.64本から2.44本へ減少
@ WHO目標をクリヤー
厚生省が行った1999年歯科疾患実態調査が、近々印刷され公表されるでしょう。6年ごとに実施されるこの調査に寄れば、12歳児一人が平均的に持っているむし歯の本数が、2.44本だそうです。前回(1993年)調査では、3.64本でしたから6年間で1.2本減少しました。WHOの2000年目標が世界平均で3本のむし歯に抑制することですから、日本は完全にクリヤーしたことになります。
今回の厚生省調査は、WHO検診基準で始めて実施された結果でした。
調査結果で気にかかることは、12歳でのむし歯は確実に減少していますが(乳幼児も同様と思われる)、13歳で3.68本、14歳で5.22本と急増していることです。2年間で2.1倍ものむし歯が発症しているのです。前回は、1.68倍(4.86本と6.10本)でした。歯科医師過剰時代で治療困難であるとは思えません。中学生が置かれている家庭・学校(部活など)での生活に大きな変化があることが背景にあるのでしょうか。
A 一つの論争に決着がつきました
厚生省数値は、フッ素推進派の「日本はむし歯大国である。」との声高な主張の根拠を失わせました。推進派は30年間、一貫して日本のむし歯の多さを宣伝し、その原因を「フッ素応用での予防を行わないから」だと言ってきました。最近は、水道水フッ素化実現を各自治体に迫る言動を繰り返しています。今回の数値は、九州歯科大;竹原直道教授、大阪大;新庄文明氏、高橋晄正氏らの主張の正しさを裏付けるものでした。
B 二重の誤り;推進派
一つは、「むし歯が多いから、フッ素応用」という短絡的なフッ素推進理論の根拠が崩壊したことです。
二つは、日本のむし歯の検出基準が学校歯科保健の伝統もあって、長い間独特のものでした。これまでは治療中心でしたから、むし歯を発見し易い基準でした(早期発見・早期治療)。早くから予防を中心としてきた世界(欧米、WHO)では、1971年に既に新しい基準が採用されてきたのです(予防歯科医療体制・制度の充実)。
推進派は、これらの事実を積極的に評価することなく、アメリカの恥部であるフッ素応用理論を日本で振りかざしてきたに過ぎないのです。彼らは、今回の検出基準採用に理由なき不満を当たり散らしています。むし歯が多いことが彼らの理論の根拠ですから 少なくなっては困るのでしょうね。
<以上>