フッ素とは

F:Fluorineフルーリーン:ハロゲン元素
原子番号9,原子量18.9984032(9)
単体はF2で、常温では淡黄色の気体、低温で明るい黄色
(canary yellow) の液体、さらに低温ではほとんど白色
の固体となる。(国分信英:フッ素の化学.裳華房.
1988 p2)
・ 宇宙に広く分布している元素である。・・地殻中に
650ppm含まれており、塩素の含有量550ppm
より多い。・・フッ素の医学的問題は、飲料水のフッ素化
による虫歯の予防の問題だけでなく、人間の病気とも関連
しているので考えなければならない問題である。・・さら
にフッ素による環境汚染の問題についても、その本質的解
決を緊急に考えなければならない時期にきている。
(フッ素の研究p3〜4)。

・ フツ素の歴史
 
・ フツ素の存在自体は古く16世紀初頭に推知されていた
・ 当時、冶金工業において、鉱石の融剤として重用されて
いた蛍石は、天然に存在するフツ素化合物(CaF2)であ
った(フッ素の化学p3)。
・ 名前はラテン語のfluere(流れる)から由来している。
1768年(Marggraf)蛍石と硫酸との混合物を蒸留し、
白い固体を確認(フツ素の研究p6)。
・ 1771年ドイツのシェーレ(Schleele)は Marggraf
の実験を追試、蛍石に硫酸を作用させると、「何か酸性を
示すもの」(実はフッ酸・HF)が発生することを発見。
(フツ素の化学P3)
これにFluss ureと命名、実はフツ素がガラス製の実験器具
を侵し硅フッ酸が出来ており、このFluss ureは、フッ酸と
硅フッ酸の混合物であることが、Gay-LussacやThn ardらの
鉛や銀の実験器具を使った研究によってはじめて分かった。
・ 
・ 1810年フランスのアペール(Amp re)は蛍石に硫酸を
作用て発生する物質が「HF」という物質であることを推定。
この架空の元素は「フツ素」と命名された。
(フツ素の化学P4)
・ 
・ 1886年フランスのモアッサン(H.Moissan)はフッ酸
とフッ化カリウムの混合物を電気分解して単体フツ素単離し
て、フツ素元素の存在を証明、この功績によりノーベル賞を
授与された。(フツ素の化学P4)
・ 
・ とにかくこうしてフツ素という元素がみつかったのだ。
・ 
・ しかしフツ素の利用、研究は遅々として進まなかった、
不幸な歴史の準備をする時まで。
・ 
・ 松浦新之助、国分信英:フッ素の研究.東京大学出版会.
1973
・根岸  章:フッ素の化学。丸善株式会社.1988



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