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アメリカ医学ジャーナリストの目から見たフッ素問題       

フッ素:共産主義者の陰謀か、資本家の計略か?

ジョウエル グリフィス  牛は、大きな蛇のように腹ばいになってのろのろと牧場をはいま わる。そうやってしか牧草を食べられないのだ。牛は骨の病気で足 が不自由になり立てないのだ。何頭かの牛は発育の止まった子牛を 生んで、ひざまづいたまま死んだ。残った牛も、はいまわっている がそう長くは生きられない。牧草を食べられるのも歯がすり減り神 経が出てくるまでだ。牛は飢え死にしはじめている[1]。  これらの牛は1960年から’70年にかけ、ニューヨーク州とカナダ に囲まれた保護区で産業汚染によって家畜と生活を荒廃させられて いたモホーク インディアンたちの牛である。この地域はモホーク  インディアンが今もアクウェセインス(ウズラ鳥が大きな羽音を たてる土地)と呼ぶ地域の一部である。ここでは農作物も樹木も枯 れ、 鳥も蜂もこの地域から逃げ出していた。今でもセントローレン ス川に投網をするインディアンの漁師は背骨の曲がった魚を獲るこ とがある。 モホークの子供にも骨と歯の傷害が見られる[2]。 1980年モホークたちは健康被害と財産の被害を受けたとして1億 500万ドルの損害賠償を求め汚染企業であるレイノルズ メタル社 とアルミニュウム オブ アメリカ社 (ALCOA)を相手に訴訟を起こ した。しかし 5年に及ぶ裁判費用で部族は破産したが牛についての 損害賠償として65万ドルを受け取った[3]。 しかし判決では、将来、彼ら自身の健康被害についての訴訟を起こ す可能性を残しておいてくれた。人権法律学者ロバート プリチャ ードは「裁判官はインディアンがフッ素公害によって絶滅すること に賛成した裁判官として後世に名を残すことを望んだのだろうか」 [4]と論評したような結果となっている。

多くのアクウェセインス

フッ素公害?あの歯みがき剤に入っているフッ素?そう、そのと おり、フッ素はアクウェセインスの荒廃の第一原因である汚染物質 なのだ[5]。 50年間近く合衆国政府と報道機関は「フッ素は安全で 有効、 多分、 虫歯を減らす、特に子供の虫歯を」と国民に言い続け てきた。企業はそいつを歯みがき剤に入れ、 行政機関はそいつを水 道水に入れた。 フッ素の安全性に疑問を持った人々を政府はイカサ マ師とか熱狂的な極右の特殊な人々と言って来た。  しかしフッ素には政府が語らないもう一つの側面がある。それは フッ素が有毒環境汚染物質、それも全ての環境汚染物質の中でも最 も古くからの最も大きな環境汚染物質の一つであるということだ。 この十年間、合衆国の工場は人々の上に莫大な量のフッ素を雨のよ うに降らせてきた。モホークインディアンの上に降らせたように。 しかしながら、政府はフッ素を全く有益な物質と考えさせるような 状況を上手にを整えてきた。そして異論を唱える人間は誰でも変人 として無視するような状況を作り上げて来た。  近年、アクウェイセインスのようなフッ素による環境破壊が続発 するために、幾つかの悪質なフッ素汚染企業はフッ素の排出を規制 せざるを得なくなってきた。しかしフッ素の排出を止めるわけには ゆかない。アクウェイセインスでは、牛の平均寿命は一般の牛の半 分である[6]。 全国的な規模ではフッ素は産業環境汚染物質の中で も最も量の多い汚染物質の一つである。環境保護局(EPA)の最近の 推計では合衆国の工場から毎年少なくとも15万5000トンのフッ素が 大気中に放出されていると見積もられている [7]。湖や河川そして 海へのフッ素の排出量はなんと50万トンにものぼると見積もられて いる[8]。  一方、多量のフッ素を排出する工場の近くに住んでいるとか、そ の工場に働いている人々は極めて多量のフッ素に暴露されている。 一般住民もまたフッ素の暴露から免れることは出来ないでいる。 フッ素は生化学的に分解されない。巡り巡って徐々に環境中に蓄積 し、食物連鎖の中に蓄積し、人体に蓄積し、骨と歯にたまる。  もしこのようなフッ素摂取量の全般的な増加が続けば人体に有害 なことが立証されたなら、大気や水質を汚染している産業に与える 衝撃は大きい。我が国の大気は、次のような工場から排出されるフ ッ素に汚染されている。製鉄、鉄鋼、アルミニウム、銅、亜鉛、鉛、 リン酸(全ての肥料製造に必須)、プラスティック、ガソリン、レ ンガ、セメント、ガラス、陶磁器、粘土を原料にするおびただしい 数の製品、石炭火力発電所やその他の石炭燃焼施設、そしてウラニ ウム製造の工場から排出されるフッ素によって[9]。  フッ素による水質汚染に関する主要な汚染産業はガラス、農薬と 肥料、鉄鋼とアルミニウム、化学、金属産業である[10]。金属産業 には銅と真鍮と並んで、チタン、超合金、軍用の耐火金属の製造産 業が含まれる[11]。   このフッ素汚染産業リストは基礎産業から戦略産業にまで及ぶも のだ。産業界も政府もずーと今日まで「フッ素の摂取量が増加して いる」という主張に対して「住民には安全だ」としなければならな い強力な動機を持っていたのだ。しかし、このような立場をとり続 けることは困難になってきた。というのはフッ素の汚染が最大の産 業汚染になってきた。そしてフッ素が植物、動物、人間に与える毒 性が考えられたよりも遥かに大きいものであることが分かって来た からである[12]。事実、フッ素は現在知られている最も毒性の強い 物質の一つなのである[13]。アメリカ農業省の報告書では「大気中 のフッ素は他の大気汚染物質よりも世界的な規模で家畜に傷害を与 えている」と報告している[14]。フッ素が植物に与える影響として は、1901年にすでに「産業による大気汚染の重要問題としてフッ素 化合物は他のどんな化合物よりも毒性が強い」という研究がなされ ている[15]。 フッ素の水質汚濁による水環境に与える影響力も同様に大きいも のである[16]。 要するに、 アクウェセインスと同じことが数多く起 こっていたということだ。 「人間は家畜よりもフッ素の毒性に対す る感受性は遥かに高い」[17]。 産業汚染によるフッ素が牛ばかりでなく人間にも歩行障害を起こし 死亡させてきたという証拠は少なくとも1930年代から残っている。 政府はフッ素の危険性を無視し産業界のフッ素汚染を放置していた ばかりか、 フッ素汚染の意図的な増加を奨励してきた。その最たる ものが産業廃棄物フッ素の再利用、即ち水道水のフッ素化だったの だ。 「産業廃棄物としてのフッ素を減らすことは将来、 経済的に実行可 能かもしれない」と環境保護局の毒物部門のフレデリック.L .メッ ツは語る「しかし、 それを無くすことは多分不可能であろう」と[18]。

最初にフッ素の毒性に脅かされたのは産業界

自然界では毒性の強い元素は、 ひ素や水銀そして鉛のように地殻か らやってきたものであるが、 フッ素はその量としては最大なのである [19]。 一般に地表では、これらの毒性元素はどこにでも微量見いだせ る。しかし鉱業はその鉱物原料を地下深くから莫大な量を採取する。 フッ素ほど多量の有毒元素は無いのである。  歴史的にもフッ素以外の汚染物質で産業が、その発展が脅かされる ほどの難問に悩まされたものは無い。1850年にすでに製鉄と製銅産業 のフッ素による汚染で農作物や家畜そして人間に中毒が起きている。 世紀の変わり目では、 ドイツとイギリスでは相次ぐ訴訟とわずらわし い取り締まりはこれらの産業の存続を脅かした[20]。
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