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保護された環境汚染物質

1950年代以降、 フッ素は大衆に公害物質としてほとんど知らされ なかった。その代わりにフッ素は子供の友達、美しい笑顔を作る物 質として宣伝されて来た。 1930年代のフッ素による環境汚染を改善 しようとした流れに対して現在は全く逆行して来ている。 例えば19 72年アメリカ環境保護局のフッ素の環境汚染業種の調査を見てみよ う。 その調査では上位の 6フッ素汚染業種の内の 5つまでがフッ素 汚染を減少させる努力は全くしていないし汚染の測定もしていない。 最もだらしがないのが製鉄、 鉄鋼業界で報告書によれば最大のフッ 素汚染業種となっている[47]。  フッ素汚染の取り締まりの当局は、 今までもずーと水道水フッ素 化を継続しているのだ、 なんで、 これらの企業がフッ素公害が人体 に有害であると心配しなくてはならないのであろうか。 環境保護局 の報告書でも次のように書いてあるではないか。 「現在、[企業によ る]フッ素汚染では、 経済作物、 家畜、 装飾植物 [ 例えば、 花や装 飾的植物] そして建築物 [例えば、 建造物、 彫像やガラス]」、 に被 害が見られる・・・ 「しかしながら、 フッ素汚染の人体への影響は無視し得る[48]」 即ち、環境保護局の別の報告書では「主要なアルミニウム工場から のフッ素汚染による人間の健康被害は重要ではないことは明らかで ある。しかしながらフッ素汚染は家畜や植物に有害な影響を及ぼす [49]」。 言い換えれば、フッ素は植物を枯らす、牛に歩行障害を与 える、しかしながら、例えどんなことがあっても、人体への影響は ない。全くもって驚くべきことだ。  フッ素による水質汚染の場合は別である。人間へ与える健康被害 に対する罪の自覚から、企業も水質汚染を恐れる理由はあるだろう。 しかし政府のフッ素化に関する研究では、「フッ素は恐らく人間に は『安全性の幅が広い』 であろう」という理由から、多分、 「毎 年水道水に数万トンのフッ素を直接注ぎ込んでいることに疑問の余 地はない」としてその安全性は確立されて来たのだから。 フッ素汚染企業が心配しなくてはならないことは 川の近くでのフッ素の害毒を流している場合に魚の健康に気をつけ ることだけである。 虫歯予防のために人間の飲み水に添加されてい るのと同じフッ素濃度で真水に住む魚にとっては致死量になるのだ から[50]。

汚染された科学

 新たな科学的証拠によって「保護された汚染物質フッ素」の立場 が脅かされてきた時には、 政府は直ちに審議会を開く。 その審議会 には型どおりに幾人かのベテランのフッ素擁護の学者が集められフ ッ素反対の学者はいない。 いつものように、この審議委員たちは、 新証拠をさっさと片付けて現状を再確認するのである。 しかし1983 年の審議会はそうではなかった。そして政府は簡単にその審議会の 答申を変更したのだった。 このいきさつは我々に有益な知識を与え てくれる話しである。 1983年、 公衆衛生局は「世界的な権威のあるフッ素の専門家」を 招集して審議会を開いた。その審議会は形式的に、政府が水道水フ ッ素化は安全であると再評価したと振る舞うための審議会であった。 しかし、この審議会の記録によれば審議委員たちにはそれまでフッ 素が安全だと誇らしげに示されて来た証拠の多くは殆どそんなもの ではないということが分かったのだった[51]。 1983年の審議会は特 に子供がフッ素を過剰に摂ることに注意するよう勧告した[52]。 し かし、 その審議会の会長で、 当時国立保健研究所に所属していた、 ジェイ R.シャピロは、 その勧告はフッ素化政策に対立するもので あり面倒なことになると気がついた。その報告書に付属した覚書の 中でシャピロは 「その報告書は慎重な扱いを要する政治的論争を扱 っているのであるからアメリカ厚生省にとって受け入れ可能かどう かは分からないが、危険性があるとした文章は『フッ素レベルが高 い場合には』と修正した」 ということを認めている[53]。 シャピロには先見の明があったのだ。 公衆衛生局長エヴァリト クープが公式の報告書をその一月後に公表した。その報告書の中で は審議会の最も重要な結論も勧告も無視されていた。もちろん審議 委員に相談することも無しに。ダニエルグロスマンは次のように書 いている「 後で、あの審議会に厚生省から招集された審議委員に会 うと、彼らはあの審議会の結論には驚いていると言う、彼らは修正 された最終報告書を誰も受け取っていない。環境保護局の科学者の エドワード オハニアンは審議を傍聴していたのであるが、彼がそ の審議の内容を報告した報告書を保護局に提出する時にはいつも 『困惑』していた事を覚えていると言っている」 と[54]。  政府は報告書の全てに一定の修正を加え低レベルでのフッ素の投 与が健康を害するということを示唆したいかなる結論も無視した。 このような立場からこの審議会の政府声明は次のようなフッ素の危 険性をもみ消す内容に代えられた「8ppm以下のフッ素レベルでは、 直ちに採用すべき、 医学的に副作用を起こすという科学的報告は存 在しない」[55]と。 この声明は審議会の最終草案と矛盾している。最終草案では、は っきりと次のように勧告しているのだ「飲料水中のフッ素濃度は 9歳以上の子供の場合1.4から2.4ppmを越えないようにすべきである、 なぜならばフッ素による子供の骨の形成障害と心臓障害が起きる可 能性があるからである」と。 この勧告の全部がそして、その他の指摘 も政府は無視したのであった[56]。 審議会の審議内容から引用すると、ウォラック博士「子供に2ppm以 上のフッ素を与えることを認めることは、私には愚かなことだと考え る」ロウ博士「私も我々みんなその考えに賛成だと思うよ」[57]。  しかし1983年 公衆衛生局長クープが提出したこの審議会の結論 を修正した公式報告書に基づき環境保護局は子供から大人にいたる 飲料水の水質基準を2ppmから4ppmに引き上げたのだった。

フッ素による骨折と骨肉腫の増加に関する論争

アメリカ医学雑誌の論説には「・・明らかに、今こそフッ素化の 見直しを」数十年にわたってのフッ素化が国民の健康に与えるフッ 素の副作用とは何であろうか。この問題が大きいこと、先入観が浸 透していること、科学者が極端に政治的な立場に立たされているこ となどから、この問いへの一番良い答えは誰にも分からない。最近、 フッ素が蓄積しフッ素による傷害が最も見付け易い骨についての研 究で科学者たちは新しい発見をした。この 2年間で明らかに公平無 私な科学者たちの手による 8つの骨に関する疫学調査が行われた。 その結果は、フッ素化はアメリカ全土で男女年令を問わず骨折率を 増加させるさせるかもしれないこと示唆したものであった[58]。 最新の研究はアメリカ医学雑誌に発表されたもので「低レベルのフ ッ素は老人の腰の骨の骨折率を増加させるかもしれない」というこ とが確かめられている[59]。これらの研究結果が正しいとしたら産 業が排出するフッ素汚染との関連もまた考えられるであろう。もう 一つの研究グループも若い男子の骨折被害を同様に示している。国 立保健統計センターの研究によれば、全米で1957年以降、子供時代 と青年期の男子の骨折率が急激に増加しているという[60]。国立調 査会議(National Rearch Council) は合衆国での腰の骨の骨折率 は現在世界最高であると報告している[61]。アメリカ医学雑誌には 「・・明らかに、今こそ飲料水フッ素化の見直しの時期である」と 論説で述べられているのだ[62]。  さらに、政府自らが実施した発癌性に関する動物実験でフッ素が 癌に関係があるということにもなってきた[63]。少なくとも1940年 代からフッ素に発癌性があるという研究結果が出ていた。しかし政 府はその全てを葬り去って来た。1956年に政府の調査でフッ素化都 市ニューバーグ、ニューヨークの男性の若者の骨欠損(前癌性の可 能性があると考えられたタイプの骨欠損)がフッ素化していない都 市キングストンと比較して 2倍近く多いという結果が報告された。 しかしながら、これは見掛けの上での結果であると考えられその後 の追跡調査もされなかった[64]。長い間、政府は政府の手による発 癌性の動物実験の実施を避けて来た。この動物実験で発癌性が確認 されたら政府はフッ素に対する規制政策が要求されるであろう。フ ッ素を規制する政策を実施をせざるを得なくなるであろう。  1975年、生化学者でフッ素反対者であるジョン イアムイアニス 博士とアメリカ国立癌研究所 (NCI)を退職したデーン バーク博士 はフッ素化した都市の全癌率が 5から10パーセント増加していると した研究を報告した[65]。この論文が科学的に正当かどうかという ことで1977年には議会の公聴会が開かれ、この公聴会で「これまで 政府がフッ素の発癌性実験を実施していなかったということが信じ られないことである」ということが明らかになり、議会はアメリカ 国立癌研究所にその実施を命令したのである。  12年後、1989年に発癌動物実験は完了した。その実験結果として フッ素はオスのラットに骨肉腫を引き起こす「不確実な証拠」を見 いだしている[66]。アメリカ国立癌研究所は直ちにフッ素に関係す る可能性のある癌についての疫学調査を実施した。そしてアメリカ 国立癌研究所は全国的にフッ素に発癌性のある証拠を見いだした。 その証拠とは「全ての年令で骨と関節の癌が増加している、増加は 主に20歳以下の男性で、 フッ素化されていない地域はではなくフッ 素化された地域では骨と関節の癌が増加していることによるもので あり・・・フッ素化地域でのみ20歳以下の男性の全体の骨と関節の 癌の統計データがより高い増加を示している」[67]というものであ った。  そこでアメリカ国立癌研究所はさらにワシントンとアイオワ州の 幾つかの地域を集中的に綿密な調査研究を実施した。しかし彼らは そこでも「20歳以下の癌の割合だけを見た場合、1973-80年から 1981- 87年を比較してワシントンとアイオワ州のフッ素化された地 域では骨と関節の癌は男性女性共に47パーセント増加しているのに フッ素化されていない地域では34パーセント減少している。骨肉腫 (骨のガン)に関しては20歳以下の男性ではフッ素化地域では70パ ーセント増加しているのにフッ素化されていない地域では 4パーセ ント減少している」[68]という調査結果を手にしたのだった。しか しアメリカ国立癌研究所はこの調査結果に不自然な統計学的な補正 を加え修正した。そして彼らはこれらの調査結果は1956年にニュー バーグでの調査結果と同じに見掛け上のものでしかないと結論した。 再び審議会が開かれることになった。 その新しい審議会の議長は昔からのフッ素推進者でアメリカ公衆 衛生局の公務員フランク E. ヤングである。その審議会の最終報告 書の結論は「・・長年の調査研究の結果、人間でのフッ素と癌との 関係について確立された証拠は見いだせなかった」ということにな った。骨折に関しての証拠については、単に「今後の調査が必要だ」 と述べるにとどまった。そして最終的には、これまでどおり「アメ リカ公衆衛生局は飲料水の適切なフッ素化を擁護するべきである」 [69]という結論になった。もしフッ素が我々の大多数が飲んでいる レベルでいかなる危険性が有ったとしても」とアメリカ厚生省の厚 生大臣補佐官ジェイムスG.メイスンはこの報告書を公表すに際して、 調子をつけて語り始め、続けてこう言った。「これらの危険性は余 りにも小さいので検出するのは不可能なくらいだ。それに比べてフ ッ素の利益は検出するのに容易なものだ」と[70]。彼の言う利益と いうのは子供の虫歯を少なくするというものである。
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