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更に、幾人かの専門家はそのようなゲルを家庭で幼い子供に毎日2回使うよう
提案しているが[9]。
別の公衆衛生学者は子供に対するゲルを使った処置は学校歯科サービスといっ
た専門家の監督下で行われるべきだと主張している[10]。
o 1980年、アメリカでの練り歯磨き剤販売の市場の独占的メーカー、
「クレステ」はその「有効成分」をフッ化錫からフッ化ナトリウムに変えた
[11]。しかし、アメリカ公衆衛生教育福祉局発行の1980版「化学物質の毒性登
録リスト」の中で、フッ化ナトリウムはマウスに胚奇形発成の影響があると報
告されている化学物質の仲間に入れられている[12]。

o つい最近、1982年のサイエンス[13]の論説で、
ニューヨークのイーストマン歯科センターのD.H.Leverettは、水道水のフッ素
化の安全性を擁護しつつも、「フツ素の使用の広範な普及で環境中のフツ素の
蓄積が危険な量に達しつつあるという状況を造り出して来ているのかもしれな
い。」と警告している。 

o 1981年のNew Scientist[14]の社説の寄稿者は、
フツ素に関して新たに発見された性質を解説して、「このように、フツ素を論
ずる前提として、遺伝障害.先天奇形、癌、アレルギー応答、等々がフツ素の
影響から起きるかもしれないといった問題が十分議論されないままに残されて
いる。」と書いている。

o 1981年の英国医学雑誌の論説[15]では、フッ素化された地域のフツ素濃度
1ppmの水で調製された人工乳を飲んでいる赤ん坊は、 母乳を飲んでいる赤ん坊
の 100倍のフツ素を摂取していると指摘されている。これは、明らかに母乳で
育てられている幼児はフツ素に対する血液と母乳の間のバリアーがハロゲン元
素(フツ素)から幼児を保護していること示している。このため、この論説の
著者は「それ故、幾つかの国の乳幼児にフツ素の補充を推薦することは考え直
すべきだ。」と示唆している。

 専門家達は虫歯予防のためのフツ素は副作用を生じない最適の条件以下で使
われるべきだとということを理解している。しかしながら広範囲のフツ素入り
の歯科用虫歯予防剤があり、その内の幾つかは監督なしで幼児に使用されてい
る、そのような事実を目の前にしていると、多分、人々は少量のフツ素ならば
虫歯予防に有効だ、そしてもっと使えばより有効に違いないと暗黙の内に思わ
せられているはずだ。このようなやり方で取り入る事は、悪い事であるばかり
でなく、無責任なことである、このような、ますますフツ素にさらされる機会
を増す手段を捜す傾向はやめるべきであろう。本当は、あらゆる努力で毎日の
不必要にフツ素を摂取する機会をに減らすべきなのである[16]。

 研究資料によっても、そして充分に知れ渡っているフッ素化反対の意見があ
るにもかかわらず、水道水のフッ素化は何ら実際的に健康被害を出したという
決定的証拠は無いのである。しかし、全ての科学者は一定の状況下で、ある種
のフツ素化合物が実に危険なものになるということでは意見は一致している。
そして今日、歯科の論壇に今や無視出来ない二つの問題が持ち上がりつつある。

o 幾人かの人は現在毎日摂取する数を増しつつあるフツ素汚染源から過剰なフ
ツ素を摂取しているのではないのか?

o 人の体内でどの程度の濃度のフツ素が細胞や器官そして酵素系に障害を与え
るのか?

操作が簡単で信頼できる血中のイオン化フツ素の濃度の測定方法は、ようやく
最近開発されてきた[17]。



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