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第一章     幼子の叫び

父を呼ぶ幼児 地の果の 雪に埋れて点在する十三戸の開拓部落 部落を圧して立ちはだかる 白い魔の岳の 守門山の吹きおろすあらしに向って 体をちぢめおどりかかり 幼子らは叫ぶ おとうー おとうー こだまだけが返る 夕暮れの冬の野に立って 幼子らは叫びつづける おとう一 おとう一よう一 あらしは 乾いた胸の哀しみをつんざいてゆく
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