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夢〈出稼ぎ先で〉

山峡のカヤブキ屋根は ずっしりと雪に埋れ 雪は なおも降り続く 夕方と言うのに 家の中は誰も居ない 外は吹雪だ 冷たく物音さえしない 底なしのわびしさのただよう炉端には 火の気さえない 七歳の長女と 五歳の長男とが ひざ小僧を抱いてふるえている 火の気のない炉端で向き合って だまったまま時々かなしげに顔を見合せている
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